書いてなかったことなど

2010年のベストを書いているとかいいつつ途中で止まっているのだけど、途中で止まっていることは他にも結構あった。この際なのでまとめて書くことにした。

まず『ヴィザージュ』の感想を書くといってたのに書いてなかった。これは、仏盤のDVDを買ってあらためて観てみたのだけど、どうも「確認」って感じになってしまって気分が盛り上がらず。書けず。次に、スフィアン・スティーブンス『BQE』のDVDの感想を書くつもりだった。これはうちの中でDVDを無くしてしまったので書けず‥。年末の大掃除の際にでも探したい。本人によるライナーだけは既に読みましたが、これは青木淳悟『このあいだ東京でね』を思わせるような面白い読み物になっていました。あと、シネ砦の第三号について感想を書くつもりだった。

『シネ砦』というのは「シネ砦集団」というグループが発行している映画のフリーペーパーのようなもの(だと思う)。その第三号では表に映画批評家の廣瀬氏、裏に映画系のブロガー渥美氏のインタビューが載っています。この『シネ砦』第三号の記事における廣瀬氏の主張は一言でいうと「モンタージュが大切だ。」という内容で(大雑把ですみません)、読んでたいへん面白いものでした。でしたのですが、同記事内で彼自身のバイオグラフィ的な内容もあわせて語られており、そこで彼は「当時ニューヨークではボアダムスが人気だったんだけど、クラブでボアダムスのメンバーだって嘘ついてナンパとかしてさー」みたいな発言をしており、私はそれを読んで、オエッ‥となったのでした。なったのでしたけれど、ここからが重要で、もしこれがジャン=ピエール・レオの発言だったらどうだったか?多分、ほほえましいエピソードとしてそれを受け止めたのではないかと思う(彼の出演するヌーヴェル・ヴァーグの作品にはそういう話ってよくあった気がする)。しかしながらその記事に添えられている写真はジャン=ピエール・レオでは勿論なく、柔道部員風の角刈りみたいな髪型のニヤけた日本人男性の写真だった。だからオエッ‥となった。ここで何が問題になっているかというと、発言と写真のモンタージュによって私はほほえましい気持ちにもなればオエッ‥ともなる。ということであって、オエッ‥となったところに止まることなく、自分のその反応に対してもまた批評的な態度をとらなければならない。ということを、文章に書かれている「モンタージュが大切だ。」という主張と共に、フリーペーパーそのものとしても表現しているこの編集は凄いな。と思った。とそういうことがいいたかったんだった。怖いなあ、シネ砦集団…。