MININO MACHO, MININO FÊMEA

void+で開催されていた『ペドロ・コスタ ヴィデオ・インスタレーション展 MININO MACHO, MININO FÊMEA―少年という男、少女という女』を観た。
ヴィデオ・インスタレーションといってもシンプルなもので、二画面の映像とそれに対応する音のトラックがエンドレスでループしてるだけ。なのだけどそれがとても良かった。映画で観るよりしっくりきた。
はじまりと終わりが設定されてないことで、そのショットがそこにあることの意図とか展開を想定したりとか、そういった映画を観る時に意識しなくてもなってるような思考状態から解放されて、ただ観てるだけ、ただいるだけ。みたいな気分になってきて、そうやって映像を眺めてるうちに、そこにいるのが自分のような気がしてくるというか、まるで自分が撮影されてるかのような感覚を覚えるようになり、なんだかただこうしてここにいるだけ(ここ=ギャラリーではなくて想像上の「ここ」)。ってことがとても良いことのように(肯定されてるように)思われて、それがとても心地よかった。ペドロ・コスタに撮られている感覚を映像を通して体験したような。延々観続けてたかった。