SONY DCR-TRV900


機材の話。先日久しぶりにSONYのDVカメラTRV900が話題にされているのを読みました。TRV900は私にとってもはじめて買ったビデオカメラで、また一昨年まで現役で使用して愛着があったので、私もあのカメラについて何かとても書きたくなったので書きます。


TRV900にはスチル撮影用のモードがあり、「静止画撮影時には全画素一括読みだしのプログレッシブ方式に切り替わる」。こういうモードにすると普通その機能(ここでは静止画撮影)しか使えなくなるものだと思うのだけれど、このカメラの面白いところはこのモードのままで一応動画の撮影ができた。ただし一秒間にたったの15フレーム。いわゆるシネマモードが一秒に24フレームということを考えるとかなりカタカタした映像にはなる。でも、それも使いようで音楽もののビデオなどではそのカタカタ映像こそがよかったりすることもあり、またこの設定で絞りを開放にすると、60iで撮影するのとは比較にならないくらいに被写界深度を浅くさせられるのがまた楽しかった。


更に面白かったのは、このカメラは絞りを開放固定にしてシャッタースピードで露出を調整することができるのだけれど、シャッタースピードを激しく弄ると絞りが追従しきれずに1/15と1/30を跨ぐところで時々激しく露出オーバーしてまるでフラッシュを焚いたような状態になるのだった。フィッシュマンズのライブビデオの映像で似たような映像が挟まれているのを見られるけれど、あれももしかしたらTRV900を使ってたのかもしれない。


pasadena "dinghy"


2008年。風景映像とライブシーンはアーティスト本人からの提供素材。室内演奏シーンのみ新たに撮影した。4:18あたりの手もとのカットなどがTRV900の静止画モード絞り開放で撮ったもの。



fishing with john "落下する6月"
http://www.dax.tv/?item=1016


2004年。こちらのビデオの前半部分はスチルのみで構成したのだけど、後半SE的に入る雷の音に対応させてTRV900の静止画モードで撮った雨の動画を挿入してる。雨粒とか飛沫をこういう感じに撮れるのがとても楽しかった。初期、高木正勝さんも水の撮影とかにこれ使ってたんじゃないかな多分。


機材って自分なりの使い方を発見できるとものすごく愛着が沸くもので、DVX100Aを導入して以降もずっと、結局ここぞという時にはTRV900ばかり使っていたことなどが思い出されます‥。